よりみちアプリ開発

Unityゲームアプリ開発、猫、映画、ゲーム、日々🍀

『バベットの晩餐会』-小さな演出が宝石のようにきらめく

大好きな映画の一つ『バベットの晩餐会
数年ぶりに再鑑賞し、以前は気づかなかった発見と新しい感動がたくさんありました。

 

 

【目次】

 

 

 


こんな人におすすめ!


・「自分の在り方」を見つめ直したい人
・人の優しさを感じたい人
・本当の幸せとは何か?を考えたい人

 

 

 


あらすじ


デンマークの海沿いにある、小さくて質素な村。
敬虔なカトリックの牧師の父をもつ二人の姉妹。
信仰による善行と、慎ましい日常。それが彼女たちのすべてだった。

ある日、フランスからバベットという婦人が家を訪ねてくる。
ときは普仏戦争の時代。
彼女はフランスから亡命し、共通の知人から紹介された二人を頼ってやってきたのだ。

心優しい姉妹は、彼女を快く家に迎え入れ、

バベットは家事手伝いとして、姉妹と一緒に暮らすことになるのだった。

 

 

 


みどころ


途中までは、姉妹の人生と、村の生活の話が穏やかに続きます。
穏やかすぎて、少々眠たくなっちゃうかも(笑)
でも、最後まで見ると、そんな眠気を吹き飛ばすほどの大きな驚きと感動が待っています!
最後には、暖かい涙に包まれること必至です…!

 

以下はネタバレを含みますので、作品を観終わったあとにお読みください☆


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

個人的な感想と気付き


以前観たときは、バベットはなんて良い人なんだろう…!

というのが感想でした(単純)


宝くじのお金で、故郷であるフランスに帰ることもできたのに、

恩人のためにそれを捨てる、自己犠牲的な優しさを感じたのです。

 

 

ですが、今回はすこし感じ方がちがいました。

ああこれは、ただの恩返し、優しさというだけではなかったんだと。
(もちろんそれはありきですが)

 

これは、職人であり、芸術家であり、料理長としてのバベットの矜持でもあったのだなと。


一夜の晩餐は、バベットの渾身の芸術作品。
それを心から振る舞いたい相手というのは、フランスにいるお客さんではなく、
きっとこの村の姉妹と住人たちだったのだと思いました。

 

 

晩餐の後、バベットが宝くじのお金を全部食事に使ったと打ち明けるシーン。
姉妹が、「でもあなた、そんなに貧乏になっちゃって…」と涙ながらに言います。

 

それに対して、バベットが答えます。


「貧しい芸術家はいません」

 

この言葉がこの映画のすべてだね。
というのは私の夫が言っていた言葉ですが、私も本当にそうだと感じました。

 

芸術とは、絵画や映画、音楽、小説といったものだけをさすわけではないと思います。

自分のもつ技術を注いで、心を込めておこなったことは、すべて芸術といえるのではないだろうかと、この映画を観て感じました。

「芸術とは心の形容」

とこれも夫が言った言葉ですが、名言!と思いました。

 

 

晩餐会が終わったときには、それまでギスギスしていたみんなの心が融和し、

心からの幸福感に満ち溢れます。

 

それは、単に美味しいものを食べたから、

というだけではなく、バベットの心からの作品に心がふれたからだと思うのです。

 

姉妹はこれまで、信仰をよりどころとした厳格な人生を送ってきました。

だから、姉妹の人生には「心から」という感覚がなかったのではないかと思います。

 

バベットの料理は、はじめて彼らに、頭ではなく五感で感じるような幸せを与えたことでしょう。

 

 

 

 

雪の演出について


もう一つ、今回はじめて気がついて、すごい…!と感動したことがあります。


バベットが晩餐会の支度をしていて、みんなで恐ろしがっているときのこと。

 

だれか(姉妹のどちらかか村のどなたか、すいません、忘れました^^;)が
「こんな恐ろしいことが起きるなんて、きっと雪が降るわ…!」
と言います。

 

きっとこれは、”ありえないことが起きる”ことの例えなんだろうなというのがわかります。
日本でも「彼が遅刻しないなんて明日は大雪だ!」みたいに言いますね(笑)

 

晩餐会が終わって、みんなが満足して帰ったあと、姉妹が
「もう雪は降らないわね」
と言います。

 

ところが、そのあと食堂でバベットと姉妹が話すシーンで、

なんと窓の外に雪が降っているのです…!

 

これはどういう意味があるのだろう?と夫と話しました。
そして、夫が気付きました!

 

最初の「雪が降る」のあり得ないこと

→恐ろしい料理を食べさせられるかもしれないこと。

 

「雪は降らない」

→そんな恐ろしいあり得ないことは起きなかった。

 

最後に雪が降った

→ここで起きたあり得ないこととは…?

→バベットがフランスに帰らないで、残ってくれたことだ!

 

あくまで私たちが感じたことなので、もちろんこの解釈が誰にとっても正しいというわけではありません^^

 

でも、こうして細部まで仕掛けをほどこしてくれて、観た人が「もしかしてこうなんじゃない?」なんて話し合えたり、見返すたびに新しい発見をあたえてくれる…

そんな小さな演出が、宝石みたいに散りばめられているのって、

それはきっと製作者の作品への愛情だし、

そんな作品は、きっと良い映画なんだろうなぁ、と、改めて感じました。

 

 

 

 

バベットの料理という芸術作品に心が洗われた村人と同じように、

バベットの晩餐会』という素晴らしい作品に、心が洗われた私でした。

 

それでは、最後までお読み頂きありがとうございました(*^-^*)